JINS-MEME.FIT

JINS MEME MT EXPERIMENT 陸上短距離100m

FEATURE 2016.05.27

慶応義塾大学スポーツ医学研究センター准教授の橋本健史先生は、歩行解析の専門家。人類がどういう格好で歩いて、どういう障害が起きていくか、それを予防するにはどうしたらいいかという研究を、主にモーションキャプチャシステムというものを使って行っている。モーションキャプチャは正確なデータが取れるものの、非常に大きな装置が必要となる。一方、JINS MEMEは小さくて身体に常につけられるものであるため、一日中でも行動を追うことができる。それによってリアルタイムにいろんなシチュエーションでどういう行動をとったか、どういう運動をしたかがわかる。身体の中で最も動かないところである頭部に着けるから、その動きを雑音なく拾えるのだ。今回はそのJINS MEMEの特性を活かして、モーションキャプチャーでは不可能だった100m走のスタートからゴールまでの解析を行ってもらった。

スタートから前傾姿勢をどれだけ保って加速できるか

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この実験では二人の選手に100メートルを走って頂きました。一人は現在自己ベストを更新し続けているホープの選手です。もう一人は大学から陸上を始めた伸び盛りの選手です。二人にはJINS MEME MTを装着してもらい専門の100メートル走を自己ベスト更新を目指して本気で走ってもらいました。100メートル走のデータがこちらです。

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まず陸上短距離というのはスタートから前傾姿勢をどれだけ保って加速できるかというのがとても大切です。二人のスタートから上体が起き上がるまでの時間が、JINS MEMEで判定する事が出来ました。二人の差は僅か0.4秒。高性能カメラで撮影すれば何とかわかる差ですがJINS MEMEではっきりと差がみてとれます。

いかに効率良く加速を続けることが出来るか

次にスタートして加速し上体が起きた後は、今度はいかに効率良く加速を続けることが出来るか、これが重要なポイントです。今ご覧頂いているのは、上体が起きた後の二人の走りです。画面に表示されている数値は前に進む推進力を表しています。

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比較しますと、トップ選手である左のアスリートの方が前に進む力が強いということがわかりました。ただ、左右の差が大きいという課題も見つかりました。この差を改善していけば、さらにタイムを良くしていくことが出来ると思います。

前後、左右、上下の状態のブレ

最後はフォームのブレ。前後、左右、上下の状態のブレは、前に進む力にロスが生じタイムの低下に繋がります。

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実際のブレを表したグラフからも、結果は一目瞭然ですね。体軸のブレに明らかな差があります。その結果、トップアスリートの選手は11秒35、もう一人の選手は11秒76。0秒41の差がついたんですね。

頭部の微細な動きをセンシングし、フォームの可視化を実現

このJINS MEME MTはトップアスリートにとってスポーツパフォーマンスをあげるだけでなく、と同時にスポーツ障害を予防していくことにも繋がる。そういう意味で非常に大きな可能性を秘めていると思います。

スポーツにおいて最も大切なことは効率良く走るということ。「走る」とは体全体を使って地面を蹴り、体を前に進める行為なんです。しかし不安定なフォームでは、生み出した推進力をうまく地面に伝えることが出来ずに必要以上に体力を消耗してしまいます。効率の良い走りが出来ているアスリートは体の中心軸である体軸をブラさない安定的なフォームを身に付けています。この体軸の安定性を反映するポイントが頭の動きなのです。

JINS MEME MTでは6軸センサーによって頭部の微細な動きをセンシングし、フォームの可視化を実現しています。