JINS-MEME.FIT

プロアスリートの体幹トレーニングにも導入されるJINS MEMEの可能性

FEATURE 2016.02.23

現在、多くのアスリートたちが注目するトレーニングは「体幹」だろう。体幹とは胴体の部分。体幹を鍛えることで、アスリートのパフォーマンスが上がり、バランス機能も安定することから怪我の減少にもつながる。ランニング、サッカー、野球、柔道、相撲、体操、スキー、競輪など幅広い競技において、トップアスリートたちは体幹トレーニングに励む。しかし、体幹トレーニングは数値化しにくい。そのトレーニングをアスリートやコーチが客観視し、効果的な体幹トレーニングを行うことは長い間の課題だった。

数値化するには、センサーを体に貼り付けて測定する必要がある。しかし、それは一部の限られた環境下でしか計ることができない。その煩わしさを解消した機器がJINS MEMEだ。

1本のアイウェアとアプリケーションで研究所レベルのデータを取得

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一見、JINS MEMEはウエリントンをベースにした普通のアイウェアだが、このメガネの中に3点式眼電位センサー・加速度センサー・ジャイロセンサーという、3つのセンサーが搭載されている。人の頭部は体のバランスを司る体軸線上に位置する。ただつけるだけで、メガネに搭載された6軸センサー(加速度センサー、ジャイロセンサー)が、利用者の体軸変化を正確に検知する。また、ノーズパットの3点式眼電位センサーは、まばたきと視線移動をキャッチする。これにより、集中・活力・落ち着きなどの状態を捉える。


JINS MEMEは人体データをリアルタイムに収集し、このために開発されたアルゴリズムを用いて解析することで、体の状態を数値化、視覚化することが可能だ。その結果はJINS MEME RUN アプリなどで、容易に確認することができる。これまで研究所レベルで計測されていたデータが、1本のアイウェアとアプリケーションに置き換わった。

八丈島で行われたトップアスリートたちの体幹トレーニング

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JINS MEMEの開発にも関わり、実際に一流のアスリートたちの体幹トレーニングに取り入れているのが体幹トレーニングの第一人者・木場克己さんだ。木場さんは長友佑都選手(インテル)や、大儀見優季選手(チェルシー)といったサッカー界の一流選手や、オリンピックメダリストのパーソナルトレーナーを務める。


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2016年某日、東京都八丈島。この地でサッカーA代表を含む8名のトップアスリートたちの体幹トレーニングが行われた。選手たちは全員、木場さんとパーソナルトレーナーの契約を交わしている。高いパフォーマンスを引き出し、さらに怪我をしない体をつくるため、体幹トレーニングを一週間にわたって集中的に行うという。


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クッションの上に選手が立ち様々な体勢でバランスを取る。体幹が弱くズレがあると、屈強な選手たちでもいとも簡単にバランスを崩してしまう。木場さんは1人1人の選手を鋭い目で見つめ、細かなバランスを矯正していく。


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選手たちにJINS MEMEが渡されバランス、腹筋、反復、坂道ダッシュなどを通して体幹を計測していく。ここで取ったデータは集約し、グラフや数値として選手にフィードバックされる。選手たちもデータの比較によって、トレーニングによって体幹がどのように鍛えられているか把握することができる。


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木場さんはFC東京でリハビリを担当している際、体幹の弱い選手ほど怪我が多く、治ってもパフォーマンスが戻らず、多くの苦しむ選手を見てきたという。


「以来、体幹トレーニングに着目するようになりました。以前から体幹トレーニングはあったけれど腹筋背筋を鍛えるイメージでしかなかった。積み木のよう並んだ骨を支えるのがインナーマッスル。アウターばかり鍛えても、インナーができていないと人は崩れる。それがヘルニアや腰痛につながる。マッチョは筋肉だけでどうにかしようとするから、ぶれて怪我につながる。長友も体幹トレーニングを取り入れ、インナーをしっかりつくったら、そこから急激にパフォーマンスが伸びたんですよ」

JINS MEMEはアスリートのものだけではなく、一般の人たちこそ使って欲しい

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体幹を鍛える上で、JINS MEMEのような運動解析パッケージの登場は、木場さんはどのように捉えているのだろうか。


「なんといっても、メガネをつけるだけで6軸を見られるのがいい。普通、6軸を測定するためモーションキャプチャーをつけるのですが、かなり面倒くさい作業なんですよ。簡単に6軸を見られるから、選手もトレーナーもわかりやすい。たとえば頭が左に傾いた状態で走る、常に左足の筋肉に負担がかかる。そうすると左足の肉離れをしやすくなる。それを把握し、修正することによって選手も意識ができる。トレーナーも弱点補強できるからケアをしやすくなる。JINS MEMEの導入はアスリートの怪我予防にもつながるでしょう」


しかし、JINS MEMEはアスリートのものだけではなく、一般の人たちこそ使って欲しいと木場さんは言う。


「僕は一般の人にも本や教室で姿勢が大事だとよく話します。フィットネス、ランニング、トレーニングをする中でも姿勢を意識するだけで身体の使い方は変わる。姿勢の悪さは体幹が緩んでる証拠なんです。姿勢を良くするということは、腹横筋が張り、骨盤がしっかり安定する。姿勢を意識する運動をやるっていうことは健康体につながるんですよ。JINS MEMEは、『気づかせる』という意味において、大変いいと思う。メガネという形もいい。つけるだけで意識のスイッチが入りますからね」


プロアスリートから一般ユーザーまで。幅広い層の体幹を視覚化し、身体の可能性を引き伸ばすJINS MEME。その可能性は人間の身体同様、無限大だ。



(文:井上英樹 / 写真:飯坂大)

木場克己(こば・かつみ)

木場克己(こば・かつみ)

1965年生まれ、鹿児島出身。小学2年生で柔道を始め、高校でレスリングに転向。腰椎圧迫骨折で現役を退き医療の道へ。アスリートを診療するなか、怪我のため引退を余儀なくする選手に数多く出会う。体幹を鍛えることにより、怪我をしない体を作ることに着目し「KOBA式体幹バランストレーニング」を開発。その手法が多くのアスリートに受け入れられ、現在は日本サッカー代表選手など多くのアスリートの専属トレーナーを務める。