JINS-MEME.FIT

サブ3ランナー 越井大志 / 効率のいい練習をすれば、長く楽しく走れる

PEOPLE 2016.02.23

社会人になってからダイエット目的から走り始めた越井大志さん。多くのランナーと同じようなラン道を通ってきたのに、初のフルマラソンで3時間14分を叩き出し、1年後にはサブ3を達成。その後、出場した全大会で2時間台をキープし続けている秘密を探った。

終始楽しめた初フルマラソンでサブ3.5を記録

DSC00357_



高校時代はテニス部に所属。サボることもある部員で、走るのが楽しかったわけでもない。ランライフのスタートは2011年に訪れた。仕事の都合でしばらく大阪に滞在することになった際、「あまりにもやることがなくて」走り始めることにした。ダイエットも兼ねていたというが、それなら自分にもサブ3を達成できるかもしれないと思わせてくれる、あまりにもシンプルな動機だ。

「自分より速い会社の友人から、まず10㎞を1時間で走れるようになるのが基準と聞き、そこを目指しました。最初は全然できなかったんですけど、ログを取っている内にスピードが上がるのがわかって、だんだん走るのが楽しくなったんです。1kmを50分以内で走れるようになってからは、ランにのめり込みましたね」

走れば走るほど速くなり、記録を伸ばすためにますます走りたくなる数字の魔力にとらえられた越井さん。4月に走り始め、3カ月そこそこで湘南国際マラソンにエントリー。初フルでいきなり、目標をサブ3.5に設定した。

DSC00383_



「当時はフルマラソンが一体、どういうものなのか、あまりわかっていなかったんです。だからこそ掲げられた目標だったと思います。それと、ゴール後にプロポーズをしようと考えていて。それもモチベーションになっていましたね。予定調和ではありましたけど、タキシードのデザインのTシャツに着替えてプロポーズしましたよ(笑)」

プロポーズもレースも結果を出し、3時間19分でゴール。42.195kmを走っている間は、終始楽しめている自分がいた。また続けたい。そう思えるレースを展開できたのは、いったい、どんな練習を積んだからだったのだろう。

「どんな練習方法があるのかわからず、やったのはペース走とロング走くらいでした。距離を伸ばすことは集中してやりましたね。友人から『月間300km走れ』と言われたんですよ。最初の2ヶ月は100kmしか走れず、3カ月目で150km、4カ月目で250km。大会までに300kmには到達できませんでした。そのアドバイスのおかげで距離を伸ばすことはできましたが、今、思えば彼にだまされていたのかもしれません(笑)」

走っていることを話題にすると、コミュニケーションが円滑になる。朝、10km走ってから会社に行くと身体がスッキリする。仕事面でもいい影響があるのを感じている。大会などランに関する情報をシェアしたり、いっしょに走ったり、仕事の絡まないラン仲間が増えたのもランがもたらしてくれた財産だ。

サブ3ランナーになった喜びと怪我の苦しみ

DSC00420_



練習をすればするほど、タイムがついてくる。当初の目的だったダイエットも上手くいき、10kg減。目に見えて身体が変化し、タイムが伸びるのが嬉しかった。翌年は、3つのレースに出場し、11月のつくばマラソンでサブ3を達成。初フルマラソンから1年で40分以上タイムを縮めたことになる。この頃は、「だまされた」と思っていた月間300kmもクリアしていた。

「帰宅ランで距離を稼ぐようにして、サボった分は週末に取り戻すのが基本。月の終わりにログを見て30km足りなければ1日で無理やり走るだとか、歩いた距離もカウントしてまでも、300kmという数字を守ろうとしていましたね。愚直に『走った距離は裏切らない』と信じて。でも、やっぱり無理が出て、だんだんつじつまが合わなくなっていくんです。月間300kmのノルマがキツくなり、走ることそのものが嫌になった時代ですね。膝やアキレス腱に痛みが出るようにもなりました。ペースを落としても、痛みのある部位をかばおうとして、他が痛くなるというのが両脚にしきりに起こるようにもなり、これはちゃんと考えて走っていかないとダメだなと」

効率のいい練習だったら、長く楽しく走れる

DSC00490_



今はもう、月間距離にはこだわらない。怪我をしてからは、やみくもに距離を走るのはやめ、効率のいい練習を目指すようなった。フォームにも意識が向き、ランニングクラブのコーチからアドバイスももらっている。

「以前、『リディアードのランニング・バイブル』を読んでVO2MAX(運動中に体内に取り込まれる最大酸素摂取量で、全身持久力の指標)も測定したことがありますし、アミノ酸やタンパク質など栄養素のことも勉強しました。『BORN TO RUN』やアフリカと日本選手の身体能力差を検証したテレビ番組を見た後は、フォアフットに変えました。腰の位置を高くキープして走るスタイルにも挑戦しましたね。結局、僕は、効率よく走ることに興味があるんだと思います。やっぱり疲れたくないし、怪我もしたくない。効率性は、楽しく、長く走り続けるためには、絶対に必要なことですよね」

DSC00451_



今年2月の別府大分マラソンでは、自己ベストの2時間48分をマーク。「ゴリゴリの文系で、そこまで詳しくない」と断りつつも、研究熱心なのは間違いなく、効率のいい練習で走りの質を高めた成果が出たからこその自己ベスト更新だろう。


走り始めて5年目。頻度は減っているものの、レースに出続けることでモチベーションを維持している。レース出場に加え、もうひとつのモチベーションを高めているのが、ギアだ。


「とくにシューズですね。フルマラソンではずっと、サブ3ランナーならコレと言われているシューズを、初めてサブ3で走った2回目の大会から履いています。今はもう3代目。このシューズを履いていて遅いのはちょっと…という雰囲気なので頑張れているところもありますね。ギア好きとしては、JINS MEMEはアプリと連動して、数字だけではわからないランニングフォームを見られるのが面白い。走っている最中に、タイムやラップを時計で見るのはどうしてもおっくうなので、JINS MEMEのグラスに表示されたり、アラートを出してくれたらもっと便利になりそうですね」

DSC00433_



(文:小泉咲子/写真:松田正臣)

越井大志(こしい・だいし)

越井大志(こしい・だいし)

1977年4月23日生まれ。大学卒業後、2008年9月に楽天株式会社に中途入社。現在は楽天市場のコンテンツプランニングチームのマネジメントに従事している。今シーズンはトレイルランニングを中心に活動中。岩本町トレイルランニングクラブ所属。「今年の目標はハセツネ、サブ10」。4月に第一子誕生予定。「いつか息子と一緒にランニングするのが夢です(笑)」。