CW-XとJINS MEMEどこまでタイムは縮まったのか|京都マラソン2017チャレンジ完全レポート
2016年11月にスタートした、京都マラソンへ向けたランナー育成プロジェクト「京都マラソン2017チャレンジ」。
メガネに内蔵された6軸センサーで、ランニングフォーム(姿勢、ブレ、足接地強度)を正確に測定するメガネ型ウェアラブルデバイスJINS MEMEと、測定したデータを解析し、ランニングの課題や傾向を可視化するJINS MEME RUNアプリ。
この2つを活用し、さらにカラダの筋肉や関節をサポートするコンディショニングウェアCW-X協力のもと、3ヶ月にわたり進めてきた本プロジェクトは、2月19日(日)京都マラソン本番を迎えました。
ランナーを選抜する「JINS MEME RUN ACADEMY Powered by CW-X」、選抜者を対象としたJINS MEMEによるフォームチェック・専属レーナーによるトレーニング・コース攻略ラン、そして京都マラソン2017の参加という3つのステップからなるこのプロジェクト。
今回は、プロジェクトの集大成となる2月19日(日)の京都マラソン当日の様子と、この3ヶ月間におよぶプロジェクトの結果をレポートします。
※「CW-X×JINS MEME京都マラソン2017チャレンジ」について詳しくはこちら※「JINS MEME RUN ACADEMY Powered by CW-X」の様子はこちら※白方トレーナーによるプライベートレッスンの様子はこちら※「京都マラソンコース集団RUNで攻略ポイントを学ぼう(前半コース編)」はこちら※「京都マラソンコース集団RUNで攻略ポイントを学ぼう(後半コース編)」はこちら
メンバー10名のうち、7名が自己ベストを更新!
本プロジェクトの専属トレーナーである白方トレーナーによる、月1回の直接指導のほか、3ヶ月間JINS MEMEとJINS MEME RUN、そしてJINS MEME TAIKANを使いトレーニングを行ってきたメンバーたち。
なんと、メンバー10名のうち、7名が自己ベストを更新! 他の3名も、自己ベストは更新できなかったものの、ハーフマラソン自己ベスト更新、4年ぶりのSUB3.5達成、今期のベストタイム達成と、すばらしい結果を残すことができました。
「フォーム」「スピード」という、2つの指標の安定性の総合評価から導き出されるJINS MEME RUNのポイントは、メンバー全員で平均12%増加、自己ベスト更新者では平均14%増加という結果になり、フォームが全体的に改善されていることがわかります。
なぜ、メンバーたちはタイムを伸ばすことができたのか。11月の開始時点で課題に特徴のあった3名にフォーカスし、検証してみました。
課題に特徴のあった3名を検証! タイム短縮の理由は?
JINS MEME とJINS MEME RUNで計測・解析できるフォームは「着地強度バランス」「左右ブレ」「前後ブレ」の3つ、スピードは「ストライド」「ペース」の2つ。
さらに、2月に公開されたコンソールβ版を利用することで、JINS MEME RUNと連携し、より細かなデータ(フォームの[上下動]と[ケイデンス])を解析することが可能です。今回は、コンソールβ版のデータを紐解き、タイムアップの理由に迫りました。
※コンソールについて詳しくはこちら
後傾姿勢を改善し、SUB4を達成したみどりかわさん
11月の開始時に、JINS MEMEで「後傾姿勢」ということがわかったみどりかわさん。後傾姿勢は、今回参加したメンバーたちのなかで、一番多かった課題でもあります。
11月と1月のデータを比較したところ、11月時点では4.5というフォーム悪化の基準ラインを行ったり来たり。それに対し1月に計測したデータでは、最後まで安定したフォームをキープしていることがわかります。
特にパフォーマンス面においてマイナス要因になるという後傾姿勢。白方トレーナーいわく、後傾姿勢の人は体幹・腹筋群の力が抜けやすく、腰の位置が落ちやすい傾向があるそう。そのため、ラン中にブレーキがかかってしまい足の筋肉をショック吸収に使ってしまうことで後半にペースが落ちやすいのだとか。
この課題には、ストレッチポールを使用した腹筋や、カーフレイズ(マット爪先立ちかかと上げ)といったワークアウトのほか、坂道を利用したヒルトレーニングが効果的です。
さらに、膝が伸びきった状態で着地する人も、体の中心よりも前方で着地してしまうため、後傾姿勢の判定が出ることがあります。その場合は、キックが強くひざ下に力が入りすぎているため、お腹以外を脱力させた状態でジャンプを行い、自然に体の真下で着地ができるようにすると良いそうです。
3ヶ月みっちりトレーニングを積んだみどりかわさん。フォームを横から撮影した写真を見てみても、頭から足までが一直線の美しいフォームになっていることがわかります。
左右接地強度を改善し、目標の3時間45分を達成したカズさん
11月時点で、右足の踏み込みが強く、左右接地強度バランスが悪かったカズさん。怪我への影響が大きいといわれる左右接地強度バランスですが、実際にカズさんは20km過ぎになると足首に痛みが発生していました。
データで比較してみると、beforeは波が不安定で、真ん中グレーのフォーム安定ゾーンから下のフォーム悪化ゾーンに大きくブレているのに対し、afterはほとんどの時間がフォーム安定ゾーンの範囲内をキープしています。
JINS MEME RUNアプリのデータを比較した動画を見てみても、その差は一目瞭然。
画像クリックで再生
左右の接地強度バランスが悪いと、先述したように怪我につながる可能性が高く、さらに怪我をすることで、怪我をしている側をかばい反対側の筋肉ばかり使ってしまうため、さらにアンバランスになってしまいがち。シューズのソールが片側だけ減る人や、アーチ、アライメントに不良がある人は要注意です。
左右接地強度バランスを改善するには、レッグアブダクション(マットを使用した片足立ち状態での足上げトレーニングのほか、足首周囲のほぐし、アーチリメイク、短時間での裸足ランが効果的です。
ペース不安定を改善し、SUB3.5を達成したまちゃあきさん
11月の開始時点でも、ストライドは114cmと安定した数値を出していたまちゃあきさん。しかしペースが不安定なため、目標のSUB3.5を達成するには不十分でした。
データを比較してみると、beforeは波のブレがかなり大きいのに対し、afterではペース・ケイデンス共に安定していることが明らかです。
白方トレーナーいわく、練習が同じパターンの人が陥りやすいというペース不安定。さらに、風やアップダウンに弱く、同じパターンで失速してしまいがちという傾向があります。
ペースを安定させるには、マーチングや2ステップ、ロング走、ビルドアップ走のほか、ラン中の前傾姿勢の作り方、メトロノームを使ったケイデンスを180bpmにキープするトレーニングを行うと良いそうです。
成長した実感は? メンバーの感想
カズさん
目標の3時間45分を達成し、自己ベストを15分35秒更新!「怪我や痛みがないランニングの楽しみを発見することができました」
まちゃあきさん
目標のSUB3.5を達成し、自己ベストを18分48秒更新!「ランニング時の重心移動がスムーズになり、走りに無駄が減ったように感じます」
KANAKOさん
今期のベストタイムを記録!「今回は目標達成できませんでしたが、フォームが改善しつつあるので、今後は年齢に抗って、自己ベスト更新できると信じています!」
おのえさん
自己ベストを15分33秒更新!「着地強度が改善されると、フォームが安定するだけでなく、怪我の防止になると実感しました」
かずリンさん
目標のSUB4を達成し、自己ベストを9分3秒更新!「今まで適当に走っていたのが、JINS MEMEで可視化されたことで技術が上がり、意欲もあがりました」
みどりかわさん
SUB4を達成し、自己ベストを6分41秒更新!「翌日からジョギング出来るほどに体が軽く、今までで一番マラソン翌日の疲労度が少ないです」
はやまつまるさん
自己ベストを2分34秒更新!「こんなに楽しくて、みんなで走った気がしたマラソンは初めてです!」
のぼるさん
ハーフタイムベスト更新!「目標のSUB4達成! 4月から転勤で南アフリカに行きますが、日本での良い思い出ができました!」
Machiさん
自己ベストを7分24秒更新!「自分だけではなく、他の人の走り方からも学ぶことはたくさんありとても勉強になりました」
ノブさん
4年ぶりのSUB3.5達成!「自己ベストは更新できませんでしたが、欠点がわかっているので、意識的に改善していくことでフォームが良くなり、今後はタイム更新にもつながると思います」
京都マラソン当日レポート&フォトギャラリー
スタート前に集合し、白方トレーナーから最後のアドバイスをもらったメンバーたち。天候にも恵まれ気合十分!
全員がお揃いのJINS MEME TシャツとCW-Xを着用し、京都の美しい街並みを走り抜けます。
全員が無事完走! 3ヶ月間共にトレーニングしてきた仲間と喜びを分かちあったり、頑張りを労ったり。達成感のあるステキな笑顔を見せてくれました。
JINS MEMEとCW-Xでタイムは縮まった!
「JINS MEMEとCW-Xでタイムは縮まるのか?」をテーマに3ヶ月にわたり続けてきた本プロジェクト。フォームを改善しタイムを伸ばすという新しいチャレンジでしたが、ほぼ全員が結果を出すことができました!
本プロジェクトを振り返り「予想以上の結果に驚いている」と言う白方トレーナー。
さらに「JINS MEMEから見える課題・実際のフォームを見ることでわかる課題に対する改善ワークアウトや、メニューの変化・目的をはっきり提示したこと、CW-Xを着用することでフォームの基礎ができ、その上で質の高いトレーニングに取り組めたこと、さらに同じ目標に向かって取り組む仲間の存在が、選抜メンバー全員の高いモチベーションにつながり、結果的にトレーニングを最適な形で実践できたと思います。
走行距離といった量のあるトレーニング以外にも、フォームに対するアプローチなどの質の高いトレーニングでステップアップできた今回の経験を次に繋げてほしいです」と語ります。
JINS MEMEでは、今後もランナー育成プロジェクトを実施予定! 詳しくはFacebook、Twitterで告知していくので、興味のある方はぜひフォローください。
(写真:佐藤佳幸・河合信幸 / 企画構成・編集:東京通信社)
白方健一(しらかた・けんいち)
1978年生まれ。東京都出身。トップギアインターナショナル合同会社代表ヘッドコーチ。自身も生涯ランナーをモットーに、ウルトラマラソン、トレイルランなどで活躍。さまざまな市民ランナーのライフスタイルにフィットしたメソッドを提案するかたわら、オリンピックを目指すトップアスリートへのパーソナルコーチングも行う。さまざまなメーカーのアドバイザリースタッフとしての肩書きや、大会主催やランニングクリニックも多数開催し、スポーツ専門誌などのメディアにも多数出演。
渋谷ランクションポイントにてJINS MEMEを活用したパーソナルランニングフォーム指導を実践している。
https://runction.storeinfo.jp
トップギアランニングクラブ:http://topgear-rc.jp/